小5の娘は中学受験をします。一瞬で辞めた塾のカリキュラムによると、先取りで学ぶのは当たり前。最後の1年(小6)はすでに学び終えていて、受験対策に力を入れます。算数においては、中2くらいまで先取りしておく場合もあります。方程式とか。受験で方程式使うとバツになるという話がありますが、迷信みたいです。(全ての学校でウラをとったわけではありません)娘は小学校受験を経験していますが、小学校受験では簡単な掛け算や割り算は出題されていました。20以下の範囲でですが。12個のクッキーを3人に同じ数ずつわけるには?のような問題です。式を作ったりはしないので、クッキーと子供を線で結ぶやり方や、クッキーを丸で囲んで3つにわけるなど、解法は色々あります。結果的に、年長後半では小1か小2くらいまで先取りしている状況になります。大学受験でも同じだと思います。高校2年生までに全ての範囲を学び終えて、高校3年生では受験対策一本。もっと早く学び終えてしまう高校もあります。灘中に通う弟を持つ友人がいましたが、その弟さんと学校でやっている単元が同じでびっくりしたのを覚えています。私、その時は高校生でしたから。なので、小学校受験のために先取りしてどうのこうのっていう批判は、ケースバイケースすぎて、どうでもいいです。
さて、この先取り教育。いいか悪いか、永遠のテーマのように思います。先取りしていると学校の授業がつまらなくて集中しなくなる、とか。知っていることを授業中に先に発言しちゃって先生に嫌な顔をされるとか。うんうん、わかるわかる。いるいる、そういう子。私の結論から言うと、先取り教育はその子に合うか合わないかで吉と出るし、凶とも出る。当たり前の結論で申し訳ありません。ですが、親が客観的にそこを見極めることができないケースを多々目にします。親のエゴで先取りさせてしまい、それが子供にフィットしていれば問題は起きませんが、フィットしなかった場合、子供をつぶしてしまいます。しかし、いわゆる勉強面で長けているギフテッド児の場合、これがちょっと違う形になるように思います。
ギフテッド児の場合、先取りしようがしまいが、その分野に長けていた場合は年齢以上をいきます。結果的に、学校の授業はつまらないものになります。先取りをしていなくても、です。ただし、テストでいい結果を出すかといわれると、そうとは限りません。授業がつまらないと言うわりに、テストの点数はぼろぼろということは日常茶飯事です。発達凸凹が原因ゆえ、点数に反映されないということも考えられます。見直しができない、字が汚すぎる、そもそも字が書けない、テスト自体に意味を見いだせない、などなど。テストの点数がよかったらラッキーです。そして先取りした場合は、先取りしていなかった場合よりさらに進むので、サポートが大変になります。我が家はそのケースとなります。
算数しか先取りに意味はない、みたいに言われますが、どうもまわりのギフテッド児を見ているとそんな風には思えません。ものすごく何かに特化している子もいれば、マルチプレイヤーもいます。うちはどちらかと言えば(どちらかと言えばです!)後者です。そして、マルチプレイヤーというのは色んなことに興味を持つので、浅く広いのです。そうです、浅いのです!!全てが中途半端に見えるのです!よって、何かに特化したお子さんのことをうらやましく思います。おそらく、逆もしかりでしょう。何かに特化したお子さんをもつ親御さんは、「うちの子はこれしかできなくて・・・」と悩まれることでしょう。さらに、勉強や芸術以外のマニアックな分野に長けているお子さんの場合、親御さんは「もっと勉強や絵で長けてくれれば・・・」と悩むのです。隣の芝生は青いのです。青すぎて眩しいのです。
我が家は、受験というイベントにより先取りをしてきましたが、受験という枠をはるかにこえたところに来てしまいました。ギフテッド児にフィットした先取りをすると、こうなるんだと思います。10才なので少しずつ親のサポートが離れてきましたが、7才くらいで高校数学をされるとうちはサポートしきれなかったと思います。もしかすると、サポートしなくてもいいのかもしれません。今の時代はネットがありますから、親のかわりに質問に答えてくれる場所はたくさんあります。ただ、女の子の場合はママと一緒にやりたいという気持ちが強いように思います。うちだけかな?なので、先取り教育を考えた場合、今後すごく伸びてサポートが難しくなることを想定しておくことをおすすめします。
わかりやすく伝えるために、「先取り」という言葉を今回はあえて使いました。私はこの言葉が好きではありません。先取りと思っているのは大人側の都合であって、本人の知能や興味からすると、全く先取りではないと思っています。学びたいときがその時期です。10才であっても三角比がやりたい、面白いって思ったなら、それが学ぶときです。子供の視点にたつと先取り教育ではありません。
こんな私は、ロボット作りに夢中な子を見て、「うちの子もそういうのやって欲しいなー」って思っています。口には出しませんが!