HSCとギフテッドと不登校の関係

特徴として重なる部分があると思っています。完璧主義だったり、難しい言葉を使ったり、質問の嵐だったり、物事を深く考える傾向だったり。感受性が非常に強い気質というのがHSC。ギフテッドは服のチクチク感を嫌がったり、人が傷ついている感情を自分に投影したり、そういう面はないと思います。5人に1人はHSCと言われていますが、自分で気づいていない人(親も含め)もたくさんいるんだろうなぁと思います。HSCの強さが違うので、5人に1人というのはHSC気質が弱い人も含まれているんでしょうね。学校に行けなくなるというのは、この気質が強いタイプなんでしょう。娘はどちらも持ち合わせているため、HSCの親の会とギフテッドの親の会に入っています。HSCの親の会に参加すると、ギフテッドの親の会でお会いした方に会うことがあります。反対もしかり。つまり、どちらも持ち合わせているお子さんがわりといると言うことです。ギフテッドに関しては、脳の働き方が非常に活発ということがデータとして出ています。HSCもまた、脳に関してデータが出ていますね。

娘の不登校の原因は、HSCとギフテッドの両方から来るものでした。そして、それは先生たちには理解できないものでもありました。公立と私立でわけて考えるのはナンセンスかもしれませんが、ここは我が家の1事例としておつきあいいただければと思います。

HSCやギフテッドという言葉を知ったのがいつだったか、もう定かではないのですが、小学校に入る前にはわかっていました。わかっていたと言っても、私だけがそう思っていた、というレベルです。まだWISCは受けていないし、ひたすらネットで情報を集めて勉強して知った程度です。保育園の先生と、幼稚園の入園試験を担当してくださった先生は、娘がなんか違うということは気づいておられました。幼稚園は娘の希望の園を受験し、無事に合格。私は初めて紺色のスーツ生活を送ることになりました。私は東京出身ではないので、この異様な紺色の世界にはびっくりしましたが、居心地が悪いと思ったことはありませんでした。紺色を着ていればいいので、逆に楽ちんでした。その幼稚園生活で敏感さを発揮していたこともあり、また本人も”自分は周りと違う”と気づいていたので、小学校も私立小を選びました。「男の子がいない学校がいい」と主張してきたことも大きな理由です。本人が居心地がいいと思える環境を優先しました。

小学校生活はわりと穏やかでした。試験を受けて合格したお子さんばかりなので、つぶがそろっていると言いますか、目立つはみ出し方をするお子さんはいませんでした。うちも適応しているように見えていました。ただ、学校の話はほとんどしてくれませんでした。聞いても何も返ってこなくて、学校の様子が全然わかりませんでした。けれど、先生との面談では褒められることの方が多く、うまくやってるんだろうなと思っていました。娘は逆で、期待していた学校生活ではない、なんでこんなにつまらないんだろう、みんなも我慢してるから自分も我慢しよう、と思っていました。小2でそのストレスがいったん爆発し、スクールカウンセラーが少し介入してくれましたが、その頃には私のHSCとギフテッドに関する知識は立派なものになっていたので、スクールカウンセラーの知識のなさに辟易しました。そして、小3はなんとかやり過ごすものの(宿題を私がやったり、ストレスになるものから距離をとるようにしました)、小4で娘は限界に達しました。

私立は、入試という作業で学校に合う子供を選定します。そのため、子供たちに偏りがなくなり、同じような雰囲気の子が集まります。生活レベルも同じような家庭が集まります。HSCの子にはいい環境だと思いました。刺激の少ない学校生活が送れるからです。娘が小4まで登校できたのは、そのおかげだと思っています。これを逆手にとると、先生方は粒ぞろいの子供ばかり見てきているので、枠からはみ出る子供の対応に慣れていません。そして私立なので、枠からはみ出る子は転校していきます。先生たちが悪いのではありません。これもまた、特殊な環境が生み出した物なのだと思います。HSCの過敏さは、いくら説明しても理解してもらえませんでした。そのようなお子さんを見たことがないとおっしゃるんです。もう私はモンペ扱いだろうなと思いました。知能が高くて敏感すぎるので、本人のペースで登校させたいって言ったんですもん。それも泣きながら。学校からしたらモンペですよね。

かたや、転校先の公立小では校長先生がギフテッドをご存知で、またHSCに関しても受け入れてくださいました。担任の先生も、校長先生から娘の対応方法に関して話が入った印象でした。あまりにもすんなりと受け入れられたので、私が私立小で戦った数か月はなんだったのだろうと思いました。これはきっと、公立に色んな子供が集まるからだと思います。逸脱する子供への先生の対応力が違いました。転校したものの、コロナで休校なので、まだ娘の変化があまりわかりませんが、良い出会いがあったことは確かです。しかし、この公立小に1年生から在籍していたらどうだったか、と考えると、小1から不登校だっただろうなと思うのです。学校生活に刺激が多すぎるのです。授業内容のレベルも私立小とは違います。

というわけで、どちらも一長一短で、不登校になることは避けられなかっただろうし、その時期に合わせて居場所を選択していくのがベストかなと思いました。”子供がつらいと感じる場所に親が固執しないこと”の重要性を学びました。知能の発達のスピードが違うので、同じ学習環境にずっといることができません。これはジョンズホプキンス大学のCTYがまさにそれを証明しているかのようで、一般的には1年で組まれるカリキュラムを半年で組んでいます。知能の高い子はそのペースで学ぶことが可能ということです。さらに、その半分のペースに加速してもいいよ、とも言われるんです。1年間で3年分のカリキュラムを学ぶということです。そして、海外ではこれも個性として認められています(色々と黒い部分もあるにはあるみたいですが)。日本もそうなればいいんですけどね。政治家とかを見てると、「過去の事例が~」とか言っちゃってるので、新しいことにチャレンジするのは苦手なのかもしれません。

我が家は家の中だけアメリカな気分です。娘は10才ですが、話す内容が10才じゃないので、ついつい大人扱いしてしまいます。分離不安もまだまだ強いので、たくさんの抱っこやハグが必要です。非同期発達(知能と精神面の発達にズレがある)が特徴でもあるので、私はそれを忘れがちなんですが、そこのフォローが一番大事だったりもします。ハグとキスはアメリカ式がギフテッドにはベスト!HSCにも!

っていうか、学校の先生たちがHSCとギフテッドのことをちゃんと学べば、不登校の在り方とか変わると思うんですけどね。療育とか医療の方で対応されてますけど、学校でもやるべきじゃないかなと思います。せめて、知識だけでも持っていてほしいです。

   

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